コラム

知らない間に進行する肝機能はお灸で改善

気づいたときにはもう手遅れ!?肝機能障害の恐ろしさ

「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓は、限界がくるまで我慢して働き続けてしまうため、
なかなか自覚症状を感じることができないやっかいな臓器です。
肝硬変や肝臓ガンといった重い病気ですら、
末期になるまで気づかないことが多々あります。
まずは、肝臓に負担をかけないよう注意すること、
また何か少しでも気になることがある場合は、
専門医に相談をすることを心がけましょう。

主な肝機能障害

・ 脂肪肝:肝炎や肝硬変になる前段階の症状。
食べ過ぎや飲み過ぎが続くと、肝臓内にストックされる脂肪が増え、脂肪肝となります。
肥満体型の方、暴飲暴食をする機会が多い方は要注意です。

・ 肝炎:ウイルス性やアルコール性など、いくつかの種類があります。
ウイルス性肝炎は、その後肝臓ガンになる可能性が高いため特に注意が必要ですが、
日常生活の中で感染する可能性はほとんどないため、
一度検査を受けて問題がなければ心配する必要はありません。
アルコール性肝炎は、飲み過ぎによって引き起こされた脂肪肝がさらに悪化したものです。
倦怠感や吐き気、黄疸などが主な症状ですが、自覚症状としてはっきりと現れないこともあります。
初期であれば、アルコールの摂取量を減らすことで改善することが可能です。

・ 肝硬変:肝炎が進行した末期症状。肝臓が硬く小さくなります。
初期段階ではなかなか症状に気づけませんが、体のだるさや疲れやすさ、
食欲不振、黄疸などが現れた場合は、一度疑ってみるとよいでしょう。

・ 肝臓ガン:ウイルス性肝炎から進行するケースと、他の器官のガンが転移するケースがあります。
初期症状で気づくことは難しく、進行すると肝硬変と同じような症状が現れてきます。

肝臓をいたわり、強くするためには?

肝機能を高めるためには、十分な睡眠をとる、ストレスをためない、
バランスの良い食事、運動不足の解消といった基本的なことが重要です。
また、食事の内容としては、高タンパクで適正カロリー、油脂や糖分の摂取量を適量に保つ、
高ビタミンを心がけた食事が、肝臓の働きを支えてくれます。
アルコールの摂りすぎにはくれぐれも注意しましょう。

お灸を使った肝機能強化

食生活や運動に加え、お灸を使った治療も肝機能を高めるために効果があります。
重要なツボをいくつか見ていきましょう。
・ 肝兪(かんゆ):上から9個目と10個目の胸椎の間より、左右に指幅2本分ずらした位置にあるツボ。
「肝」の字が入っていることからも分かるとおり、肝機能を高めるツボです。
・ 太衝(たいしょう):足の甲にあるツボで、
足親指と人指し指の間よりやや上にあるくぼんだ部分です。
・ 蠡溝(れいこう):内くるぶしの中心と膝の間にあり、
内くるぶしから膝の距離の約3/5の位置にあります。
肝機能強化のほか、胆のうをつよくしたり、尿の出を促すなどの効果もあります。